明日も晴れでありますように
卓球、小説、最近の出来事などについてのんびりと語るブログ。
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DARKNESS or RIGHT PROLOGUE
新しい小説書き始めました。今回はちょっとダークなもの書きたいなーって思って考え始めたらもうはまっちゃってはまっちゃって・・・w
そんな作品ですが、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
「急げ!やつを逃がすな!」
一人の少女が叫び、走る。その後ろには彼女――――シェリス・アルフォネットと同じ、胸元に十字架を模したマークの付いた白いコートを着た青年が二人、彼女を追い掛ける形で窓一つない無機質な白い廊下を走っていた。三人の周りでは緊急事態を告げるサイレンがやかましく鳴り響き、非常用電灯によって一面が赤く染まっている。
今彼女達三人は、-人の人間を追跡している。数分前、この教会に保管されていた『ある重要な物』をその人間に奪われたのだ。
特徴的な蒼い短髪たなびかせ、彼女達は廊下を全速力で駆け抜けていく。その途中――――
「ユラ・マリス、レイル・クラント、メリス・アサガワの生体反応ロスト。lブロック先です」
襟の十字架型の小型通信機から女性の声が流れた。その声は嫌に冷静で、話している内容に何の感情も抱いていないように感じるほどだ。
(ちっ、早くしなければ――――!)
シェリスの表情には急がなければ『アレ』を取り返せずに脱出されてしまうことへの焦りが表れていた。
(間に合ってみせる…!)
さっきの連絡が入ってから十数秒後、彼女の視界に次のブロックへと続く自動ドアが見えた。刹那、三人はそこを突き破らんばかりのスピードでドアを抜けていった。
「っ………!」
ブロック内に入った瞬間、シェリス達はそのあまりに惨い状況に足を止めた。電灯が所々破壊され、明暗がついている部屋に立ち籠める金属的な嫌な臭い。廊下に大量にこびりついた、赤い電灯の中でも鮮明に見えるほど紅い液体。そして、彼女達の足元に転がっている先程まで人間『だった』塊……。
シェリスは足元にあった視線を少しづつ前に向ける。その向こうには、少し大きめの丸い物を掴んだ人間が立っていた。壊れた電灯のせいで顔が影になっている。
しかし、彼女達にとってはそれが誰であるかなど分かりきったことだった。
シェリス達に気付いたその人間はゆっくりと前に進んでくる。刹那、まだ生きていた電灯の光りに当てられ、その全身が露になった。
ジャケットに長ズボン、そしてマント。その全てが漆黒を閉じ込めたかのように黒い服装をした、緑の髪に茶色の目をした青年。
容姿がわかると同時に、彼の手に持っている物も光りに照らされ識別できるようになる。その手に握られているのは首から下を切り離された人の頭だった。
「人間とは愚かなものだな。無駄と分かっていても諦めようとしないとは…」
その男は嘲笑を浮かべながら彼女の足元に掴んでいたものを放る。
「貴様……!!」
シェリスの仲間の一人が唸るような声を出し、その男に突撃しようとする。が、それに気付いたシェリスに腕を広げられ、押し止どめられる。
「……『アレ』をどこへやった」
メイが静かな声で問う。
「無論ここにある」
そう言って男はマントの内側から『アレ』と呼ばれた物を取り出した。
それは手のひらほどのサイズの、中心部の球体から刺のようにいくつも突き出た紫水晶のようなものだった。
「安心しろ。お前達よりは有効に利用してやる」
またあの時と同じ嘲笑。
「それをどうするつもりだ」
その笑いすらも静観し、シェリスは男に問いかける。
「言っただろ。有効に利用すると」
男は愚問だなと言わんばかりに答える。
「ならばお前をこのまま外に出す訳には――――」
その問答を合図に、シェリス達は――――
「いかない!!」
戦闘を開始した。



「ぐ……」
腹に重い拳を喰らい、学生服姿の男子はその場で蹲った。特徴的な蒼い短髪が砂で汚れる。
先頭で拳を振った金髪の男子の後ろに同じ学ランを着た男子生徒が二人立っている。両者とも服装はだらしなく、髪の毛も茶髪に染めている。
学校裏で行われている恐喝、典型的なイジメだ。
「けっ、素直に出しときゃ痛い思いをしなくてすむのによ」
先頭に立つ一人が言葉とは裏腹な笑みを浮かべ、そう言った。それに続くようにその後ろに控えていた二人が蹲る男子のポケットを漁り、財布を取り出す。その中から札を全て抜き出し、彼の近くに放り投げた。
「6000円、か…。前より少ねぇな。まぁいい」
外の二人の手にある札の数を知り、不満を零しながら、先頭の男子が蹲る男子の髪をしゃがみながら掴み、覗き込む。
「今度は抵抗するな。加減を誤っちまうかもしれねーからよ」
そう言って手を放し、三人の不良男子達はケラケラと笑いながらその場を立ち去っていった。
三人の姿が見えなくなってしばらく経つと、蒼髪の少年は近くにある壁を頼りに立ち上がった。そのまま覚束無い足取りで自分の財布と、遠くに飛ばされていたメガネを拾った。殴られたのは腹だけではない。顔や背中、ほぼ全身に痣ができるほど殴られていた。
(この世は…腐ってる……)
彼――――三浦淑矢がそう思うのも無理はない。暴力を受けていることを話しても見向きもしない教師。巻き込まれるのが嫌だからと無視するクラスメイト。実の子でないからかまってくれもしない両親。そんな人間の裏の部分しか見えていないような状態が、今の彼にとっての全世界なのだ。
(家がちょっと金持ちだからって…)
淑矢は三浦家に外国から養子として引き取られ、今まで育てられてきた。実の両親の顔は見たことがない。
「こんな世界……」
何もかもが信じられない世界で、淑矢は――――
「滅んでしまえばいいんだ……」
心の底から湧き出す水のように、憎しみの籠った言葉を言い放った。



「――――!……ほぅ、これはこれは」
男が何かを感じ、含み笑いをする。
シェリス達が戦闘を開始してから数分、戦場はさらに悲惨な状態になっていた。彼女の仲間二人は男の強大な力の前に為す術もなく倒され、また彼女自身も重傷を負い、男の足元で膝を着き、胸元を抑え息を乱している。
「お前……何者……」
シェリスが途切れ途切れに問いかける。
「真邪ベラニク」
「な――――」
その答えを聞いた瞬間、彼女の表情は凍りついた。その反応に満足したのか、男――――ベラニクは不敵に笑っていた。
「さて、そろそろ失礼させてもらうよ。行きたい場所が見つかったのでね」
そういって壁に手を当てる。刹那、その場所に黒と紫の混じり合った空間の穴が出現した。ベラニクがその中に吸い込まれるように入っていく。
「待て――――っ!」
ベラニクを追いかけようと立ち上がり、駆け出そうとするシェリスだったが、胸の傷が深く、その場から動けない。
そうこうしているうちにベラニクが空間の穴の中に完全に入ると、その物質は瞬く間に小さくなり、消えていった。


次元の狭間、暗闇の世界の中でベラニクが呟く。
「今、会いに行きますよ。素晴らしき『世界を憎みし人(ヘイター)』よ」
その顔はまるで新しい遊び道具を手に入れた子供のように笑っていた。



プロローグは場面がかなり変わるので3人称で書いてますが、本編は1人称で書くつもりです。
では今後もよろしくお願いしまっすm(_ _)m
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