明日も晴れでありますように
卓球、小説、最近の出来事などについてのんびりと語るブログ。
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~Capacity~ 第6話「世界の過去」
載せるのすっかり忘れてましたw
今回でCapaと世界の歴史、そして過去についてちょっと触れます。これで一応一区切りついた感じです。
「終わっ…た……」
ショウは二人の戦いに終始圧倒されていた。途中で霧が発生し見えなくなったとはいえ、それまでの戦闘だけでもショウが体験したものがまるで遊びだったかのように感じられるほどだった。
「彼らは2年ほど前に能力に目覚め、私の所へ来た」
ショウの横からマルクスが話す。
「ここは一種の保護施設のようなものでもあるからね。能力者は増える一方だよ」
そう微笑みながら言い、マルクスは入ってきたドアへと歩き出した。ショウもそれに続き、二人はその部屋を後にした。



「入りたまえ」
マルクスに促され、ショウは目の前の扉を開く。そこは一戸建てのリビングとほぼ同じ広さにベッドやテーブル、テレビ等の生活に必要なものは大抵揃えられた部屋だった。
ショウは、先の戦闘が行われていた建物から10分ほど移動した高層ビルの一部屋の中に案内されていた。
「ここは…?」
何故この部屋へ連れて来られたのかわからずショウはマルクスに尋ねた。
「好きに使ってくれていい」
「…え?」
ショウが我を疑い、不意に聞き返す。
「もう夜も遅い。それに君も本調子ではなさそうだからね。今日は休みたまえ」
すると理解できなかったと思ったのか、マルクスは更に分かりやすく同じことを言った。
「で、でも…」
いくらなんでも急すぎる。そう思ってショウはマルクスにこれ以上迷惑をかけないように断ろうとする。しかし――――
「まだ話していないことが沢山あるんだ。それに今の君には他に行く宛てでもあるのかね?」
そんなショウの言葉を砕くかのようにマルクスは少し意地悪な笑みを浮かべながらそう言った。
ショウは返す言葉が見付からなかった。マルクスの言う通りまだ聞いていないことは残っているし、他に行ける場所もない。
懸命に言葉を探しているショウの様子を見て――――
「そういうことだ。私はこの建物の右隣の家にいるから何かあったら遠慮せずに来てくれ」
軽く微笑み、部屋から出て行ってしまった。
「……」
予想していなかった展開にショウは言葉を失っていたが、考えはすぐにまとまった。
「今日はここで休ませてもらおう…」
他に行く宛てもないショウにとっては、この状況はむしろありがたいことだ。わざわざ出て行く必要もない。それに、ショウにも聞きたいことが色々と残っている。
明日になれば話してもらえるだろうと思い、ショウは部屋の端にあるベッドの上で横になり、目を閉じた。思った以上に疲れが溜まっていたのか、眠気はすぐさま全身に染み渡り、ショウは眠りの中へと落ちていった。



少年は歩いていた。暗闇の中、ずっと先から聞こえる声を目指しただひたすら前へと進む。その先に何があるのかなど知る由も無く…。
少年は見た。自分が進んでいる先の暗闇に蜃気楼のような揺らぎを。その瞬間、全身に雷でも落ちたかのような衝撃と、あの時に見た物が脳裏を駆けた。
酷く歪んだ笑みを浮かべる人の顔。それは笑みと言うよりは嘲笑うような表情で、恐怖感を煽るかのようだ。そのイメージを見た途端、少年の意識は途切れた。



「っ!!」
全身に雷でも落ちたかのような衝撃を感じ、ショウは慌ててその身を起こした。額には嫌な汗をかき、息も少し上がっている。
「夢…か」
体への痛み、そして先ほどの暗闇の世界を思い出し、そう呟く。
(何だったんだ、あれは…)
夢の中に出てきた、あのひどく歪んだ笑みを浮かべる顔。ショウはそれに見覚えがあった。しかし、その人物は誰で、何時、何処で見たのか思い出せない。
(記憶がないから仕方ない…か)
ショウの中の詮索意欲が徐々に薄れていく途中、部屋のドアをノックする音がした。
そして返事を待たずして一人の男性が入ってきた。
180センチ以上はあろう身長に筋肉質な体つきをしていて、スキンヘッドの頭に赤いスポーツタイプのサングラスをかけている。そして、マルクスと同じ赤褐色の肌。
男はショウを見つけると、そちらを向き――――
「マルクスが呼んでいる。着いてこい」
必要なことしか言わないようにしているのか、ぶっきらぼうにそう言うと部屋を出ていってしまった。
「あ…ち、ちょっと!」
このままだと置き去りにされることを悟ったショウは慌てて男を追い掛け、部屋を出ていった。



「連れてきたぞ」
「ああ、ありがとう」
ショウがいた高層ビルから10分ほど移動した円状に造られた建物の中に、その姿はあった。
建物の中は椅子と一体型の机が円形に何段も並べられており、薄暗く、あまりはっきりと見えない。そんな場所だからこそ、彼の少しの光を受け光る銀髪は一層目立って見えた。
ショウはその中心部にいるマルクスの元へと歩いていき、デスク状のボードを挟んでマルクスと向かい合うように立った。
「よく来てくれた、ショウ」
「まだ聞きたいことが…聞かなくちゃいけないことが沢山残ってるような気がしましたから」
ショウの決意の篭ったような声を聞いて満足したのか、マルクスはよしと言わんばかりに首を縦に振った。
「これから話すことは今の君には大いに役に立つだろう。この世界で生きていくために。
君の記憶を戻すためにも」
そう言い、マルクスは建物の中心部分にあるデスク状のボードに触れた。
その瞬間、ボードの上空、ショウ達の目線の高さほどの空間に一枚の地図のホログラム映像が現れた。
「今から30年前、我々の未来は誰もが予想しなかったであろう方向へと動きだした」
マルクスが再度ボードに手を触れる。すると地図の一点に赤い×印が現れ、そこから一枚の写真が表示された。それは昨日ショウ達が見た白い渦を巻く物体。
「この場所に突如出現した謎の白い物体。空から降りてきたとも、ワームホールの様に空間移動してきたとも言われているこの物体は、現れた瞬間大地をえぐり、積み上げ、巨大な遺跡のを作り上げた。その力の余波でこの大地は深刻なダメージを負うこととなった」
三枚の写真がホログラム内に表示される。そのどれもが深刻な状態を思わせるほどひどいものだ。荒れ果てた大地、朽ちた木々、破壊されている家屋、泣き崩れる人々…。
「一部、シティと呼ばれる場所はこの衝撃波を凌ぎ、難を逃れた。そこはこの世界の科学が集結した場所とも言っていいだろう」
三枚の写真が消える。
「こうして我々はその存在を認識せざるを得なくなり、すぐさま調査が開始された。しかし、この時にはまだ情報が不足しすぎていて大した成果は上がらなかった。そして、その三年後…」
また一枚、今までとは違う写真が表示される。そこに写っていたのは――――
「背に翼を生やし、黒い厚手のコートを着た人間が遺跡の近くで発見された」
紛れもない能力者だった。
「彼は数日前までそこに存在した集落に住んでいた人間だった。何故あの衝撃波を直に受けていながら助かったのか、それは本人にもわからなかった。衝撃波を受けながらもなお生き、さらには異形の姿となった人間の話は瞬く間に世界中に広がっていき、彼の存在を知らない人間はほとんどいなくなった」
マルクスは一度間を置き、再び話し始める。
「それから彼もこの物体の何らかの影響でこのような姿になってしまったのではないかと言う予測が瞬時に立てられ、同時に彼の調査も合同でやることとなった。それから彼に普通の人間にはない『新しい能力』があることが判明するまでそう時間はかからなかった」
ショウはそれが何であるかが即座にわかった。ここまで話を聞き、Capacityの存在を知っていれば予測は容易だろう。
その様子を見て、マルクスは教え子を見守るような微笑みをし、話を続けた。
「想像したものを具現化し、自由に使う能力。研究者はこの能力をCapacityと名付け、それを所持する人間をCapacitist、能力者とした。Capacityとは能力や資格、生産力、力量、容量等と言った意味がある。その能力はこれら全てが当てはまる。資格ある者だけが手にできる、無から有を産み出す本来あり得ない究極の生産。そしてそれは使う者の力量、想像力によって変化し、人間の脳ではその作り上げたイメージを全て記憶するには記憶容量の限界がある」
ホログラムに写る写真に目をやりながら、マルクスは続ける。
「Capacityが発見されてから能力者の数は日に日に増え、その研究には拍車がかかっていった。その中で、Capacityと白い渦状の物体とのシンクロが近年確認された。この時からこの白い渦巻く物体は希望を称え、『聖門』と呼ばれるようになった。その時のものはごく僅かな反応でしかなかったが、非常に強力な反応が2年前に起こった」
2年前。マルクスがショウに聖門の前で話した、その年に起こった出来事。ショウはその時彼が言った言葉を思い出した。
「異世界とのリンク……」
「そうだ。その瞬間からその白い物体は異世界とこちらの世界を繋ぐ門となった。そして――――」
ホログラムの中心に1枚の写真が出る。それは聖門の前でマルクスが話した、全身を闇で染めたような獣…。
「そこから彼らはやってきた。人間を喰らう闇の住人。その体の色から我々はそれをシャドーと呼ぶことにした。やつらは異世界から出てきた瞬間、全世界に散らばり、人を喰い荒らした。各地の能力者、そしてシティの武装集団はそれに対抗しようとしたが、どちらもシャドーに傷を負わせることは困難だった。そんな中、やつらの総本山、聖門の遺跡へ乗り込んだ集団がいた。それが君の兄、ケンジ・アカツキ率いる『dawn sky』だった」
マルクスがホログラム越しにショウを見やる。
「その中には君も、そして私も入っていた」
「――――!!」
ショウは驚きのあまり目を見開いた。そしてすぐさま睨みつけるように目を細めると――――
「あなたも…兄さんを裏切ったんですか……?」
怒りの潜んだ低い声で、マルクスへと問う。
「私が彼から離れたのは、彼に頼まれたからだ」
「兄さんが…頼んだ…?」
ショウの中から怒りが徐々に消えていく。それと入れ替わるように疑問が湧いてくる。それと同時、マルクスがショウの質問に答える。
「そうだ。2年前のシャドーとの戦闘、そこで君は敵のリーダーと対決し、勝利したが、同時にCapacityを発動させることができなくなってしまった。dawn sky中最強の能力者だった君が能力を使えなくなってから、グループ内に不穏な動きが見え始めた。その時私はケンジに告げられたのだ。『近いうち、dawn skyは攻撃を受け、壊滅するだろう。そのためにお前には新たな組織を編成してほしい。我等の意思を継ぐ組織を』と…」
ホログラムの発生装置が機能を停止する。すると同時に淡い光の電灯が付き、部屋の構造、そしてマルクスの姿が露になる。
「私は彼に言われた通り新たな組織『black shadow』を作った。そして2週間前、ついにケンジの言ったことが現実となった」
ショウの心が跳ねる。彼はマルクスの言ったことの意味を身体が理解していた。まだ記憶を完全に思い出せたわけではない。しかし、その場に実際にいて、体験していたこの身体はその時のことを憶えているとでも言うような感覚を感じながら、ショウは口を開けた。
「あいつらが…クロウ達が裏切ったんだ……」
その声は低く、決して大きいものではない。だが、だからこそそれには迫力があった。心の奥底から湧くようにこみ上げてくる怒りという名の感情が多分に含まれている声だった。
「彼らが何故離反したのかは私にもわからない。しかし、これまでの彼らを見てきた限り、彼らの性格は私がdawn skyにいた頃とは違っていた。それが何かした関係しているのかもしれん」
マルクスが向かい側に立っているショウの元へと歩き、その目の前に立つ。
「君に話すべきことはこれで終わりだ。ここからは私個人の頼みで聞いて欲しいことがあるのだが、いいかね?」
ショウが無言で頷く。それを確認すると、マルクスは口を開いた。
「君に、black shadowに入ってもらいたい」


説明文ばかりでかなりつまんなかったかも…とも思うのですが、これ説明しておかないと後々困るので今回やりました。
次回は…まだあまり深くは考えてませんが、多分私生活的なものになると思います。
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