明日も晴れでありますように
卓球、小説、最近の出来事などについてのんびりと語るブログ。
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サクラ咲く季節に 6日目「幼馴染み」
今回のサクラでようやく1日が終わりました。長かった…。実に長かった。
さて今回は第1話で名前しか出てこなかったあのキャラがようやく登場です。
一日の日程を終え、学校は放課後を迎えていた。今日は始業式で部活がやってないということもあってか、クラスの大半は帰る準備をしている。当然俺も。
さっきの時間に配られた教科書やらプリントやらをカバンの中に詰め込み、席を立つと――――
「あ…あの…」
後ろからか弱い声で急に呼び止められた。とっさに振り向くと、そこには朝の騒動で一躍有名になったであろう女子が立っていた。
「相づ――――」
その子の名前を呼ぶ途中、俺はふと気になった。
(待てよ…この光景どっかで……)
そしてそれは数秒の後に思い出すことになった。
(そうだ…。あの時見た夢と同じ…って何ぃ!?)
まさかあの夢は予知夢だったのか!?もしそうだとしたらこの後相褄は俺に……。
「な、何?」
俺は期待と緊張で胸がいっぱいになりながらぎこちなく口を開いた。それを合図にするかのように、相褄は少しうつむきながら――――
「あ、あの、朝はすいませんでした…」
そう申し訳なさ気に謝ってきた。
「え…」
頭の中にあったことと相褄が言っていることが噛み合わない。朝って言うと……。頭を冷まし、記憶を辿ってみる。すると彼女の言ってることが何を意味するのかすぐにわかった。
「ああ、あの事ね。別に大丈夫だよ。特に気にしてないから」
内心は違うことを気にかけて(期待して)いたことは言わないでおく。…このエセ予知夢、変な期待しちまったじゃねーか。
「それに、注目の的になるのは慣れてるから。これのおかげで」
そう言って俺は自分の髪をつまんでみせる。
「だからそんなに気にしなくていいよ」
「あ…はいっ」
俺の言葉に安心したのか、彼女は笑顔で応えてくれた。
「っていうか俺なんかより自分の心配した方がいいぞ。今日のことで多分…いや、間違いなくからかわれるから」
俺としてはこっちの方が重大だ。
「あ、それだったら大丈夫です。私失敗すること多くて、その度にからかわれてましたから」
「そっか」
内容は違えど彼女は俺と同じことを経験してきたのだ。それなら大丈夫そうだ。
「それじゃ、これからよろしくな」
そう言って話の切り上げ兼帰りの挨拶。
鞄を持って歩き出した俺の背中に、相褄の「はい」と元気な声が聞こえた。



(ん?あれは…)
校舎を出た直後、俺は校門の前に見覚えのある姿を発見した。165センチ程の身長に、肩を少し越えたくらいの黒髪。そして何より美少女と言っても足りないくらい整った顔立ちの少女。
俺が気付いてから少し後に向こうもこちらに気が付いた。
俺は近づき、手をあげて彼女の名前を――――
「よ、七――――」
「遅い!」
呼ぼうとした瞬間、怒られた。ついでに頭どつかれた。
「~~~~………」
あまりの激痛に声さえ出せなくり、頭を抱えて情けなくうずくまる俺。殴られる所以なんてないのに…。
「全く…いつまで人を待たせれば気が済むのよ」
「俺はお前と約束した憶えはない…」
そんな俺の言葉に「はぁ?」とでも言いたげな顔をするこの少女は鶴舞七瀬。俺の幼馴染みである。
前述通り容姿はかなりのものだが、この怒りっぽいところが玉に瑕。これさえなければ彼氏の一人や二人、簡単に作れるだろうに。
そんな彼女が俺に呆れたような顔をしながら――――
「今まで一緒に帰ってたじゃない」
そう言ってきた。その瞬間、俺と彼女の近辺にいた男子から視えない刃物が飛んでくる。通称殺気。
七瀬は誰がどう見ても美少女だ。その場にいるだけで人の視線を集める。スカウトマンに声をかけられることもしばしば。そんな少女に話しかけられてるのが男となれば、同性としては嫉妬の一つや二つしたくはなるだろう。
しかし、それももう慣れっこだ。中学3年間、俺はこれと同じ苦しみにずっと堪えてきたのだ。
七瀬は俺たちに視線が集中しているのを知ってか知らずか、呆れたような顔をし――――
「今まで一緒に帰ってたじゃない」
その場にいる、俺たちの関係を全く知らない人が聞いたら勘違いすること間違いなしのデンジャラスワードを言ってきた。
刹那、周囲からの視線が鋭さを増す。いやこりゃもう嫉妬なんてレベルじゃないな、実際に何か体に刺さってるような感覚してきたし。ここまで来るともはや呪詛とかかけられてるような気さえしてくる。
「帰ろうか……」
俺は一秒でも早くその場から離れたくて、ひばり学園から逃げるように歩き出す。その原因になった張本人と共に。
「啓ちゃん、何か疲れてる顔してるよ?」
あーもう頼むから今だけはその呼び方はよしてくれ。背中に嫉妬と言う名の刃物が刺さりまくるから。
「大丈夫?」
そんな俺の心を知る由も無く、心配そうに覗きこむ七瀬。
「大丈夫じゃない……」
俺は隠すのも嫌になって、がっくりと項垂れたまま校門を出た。
「はぁ…」
校内から去ったのと同時に背中に感じる痛みのような違和感は徐々に消えていった。今後の学園生活が心配だ――――
「今日一日女子とあんなに親密にしたくせに溜息とは御挨拶だな」
と考えてた瞬間、その溝を更に広げられるような輩と出くわしてしまった。と言ってもこの事態は予想できたことだ。
「涼、お前も七瀬と同じ理由なんだろ…?」
俺がそう問うと、涼は「ああ」と答えてきた。この二人とは家が近くということも相俟って、大抵の日は一緒に帰っていた。高校に入ってまでそうなるとは考えていなかった。
いや、むしろ考えるに至らないほどそれが当たり前になっていたんだな。
七瀬を挟んで俺が左、涼が右について歩き出す。これもいつもの定位置だ。そして中学の頃と同じように、俺たちは他愛も無い話をしながら帰り道を歩いていった。



「それじゃ、ここでいつも通りお別れね」
住宅街の曲がり角、十字に分かれた場所で、七瀬がそう告げる。ここで涼が一人抜ける。と言っても全員の家はもう目と鼻の先だ。会おうと思えばすぐにでも会える。
「あいよ。んじゃ、また明日学校で」
そう言って、涼は手を振り違う方向へ歩いていった。それを見て、俺たちも歩き出す。その時、ふと思い出した。
「そういや、今日の朝なんで起こしてくれなかったんだよ」
正直期待していたわけじゃないが、何となく聞いてみた。朝が弱い俺は、中学の時はずっと七瀬に色々とやってもらっていた。しかしいつまでもそれでは情けないと思い、自分で起きることを決意したのだが……初日からできるものではなく、見事に寝過ごしてしまった。
「『もう高校生なんだから、朝くらいは自分で起きるー』なんて言ってたのはどこのどいつよ」
その事実を知っている七瀬は少し怒り口調で俺に言う。これにはさすがに反論しづらい。
「で、でも朝飯作る時間あったんならついでに起こしてくれてもさぁ」
苦し紛れにそんなことを言ってみる。
「そこであんた起こしちゃったら意味ないじゃない。それに朝食の準備だって、朝自分で起きるって言うなら自分でやりなさいよ」
「うぐ……」
彼女の言ってることが正論なので、俺はとても言い返せない。それでも頑張って反論の言葉を探しているうちに、家に着いてしまった。
「それじゃ、また明日ね」
「ああ」
七瀬と挨拶を交わし、俺達はそれぞれの家へと帰宅した。



七瀬はツンデレキャラとして書いたつもりなんですが、いかがでしょうか?w 今後もこんな感じで攻撃的な女子にしたいと思います。
次回は一度時間軸がずれて現在の話に戻ります。そこで新たな展開が…なかったり(ぉぃ
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