明日も晴れでありますように
卓球、小説、最近の出来事などについてのんびりと語るブログ。
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~Capacity~第5話「激突する力」
やっとこさ書き終えました・・・。疲れたです。今回は戦闘シーンだったので、やたらと書くのが大変でした。まぁそれでも楽しいんですけどね。
今回は結構長いです。お待たせしました、第5話公開です。
ロベルが構える。それと同時にフィーネは目を見開いた。刹那、頭上に浮かんでいた氷塊が連続でロベルへ飛来した。彼はそれを――――
「フッ、ハッ!!」
手にした双剣で次々と斬り伏せていく。
流れるような乱舞の中、剣と氷塊がぶつかり合う度に、閃光が走る。
数十秒間、攻防は続いた。それに終止符を打つかのように最後の氷塊を斬ったロベルの眼前には、今までのそれとは比較にならないほどの大きさのものが作られていた。
それを見たロベルは一歩下がり、今までとは違う、両腕を胸元で交差する構えをとった。
途端、双剣が光を帯び、放電を開始した。
氷塊が飛んだ。それと同時にロベルはクロスさせた腕を下へ振り払う。それはあからさまに早いタイミングで放たれた。当然その振りは氷塊には当たらず、空を斬る。
が、それは空を斬ることが前提とされるれっきとした攻撃だった。
斬撃の軌道。それを明確にするかのように双剣から発せられていた電流は剣を放れ、形を成し、波動となって氷塊を迎え撃った。
ロベルはその斬撃の後を追うように駆けた。
氷塊と波動が激突する。否、それに激突などと呼べるほど激さはない。斬撃は易々と氷塊を裂いていく。そして反対側まで完全に突き進むと、その場で消滅した。
四方に別れる氷の塊。ロベルはその中心をくぐるように通り、フィーネへ突撃した。
それに反応することさえ出来ないのか、彼女は呆然と立ち尽くし、ロベルから振り下ろされる剣を――――
「…」
「ちっ…」
当然の如く、彼女の80センチほど手前に不可視の防御壁が現れ、防いでいた。
接触部から火花が散る。両者とも、その向こう側に見える相手を睨み合った。
動かない。ロベルが押し切ることも、フィーネがその場から離れることもできない。その場で二人は硬直するかのように立っていた。
戦況はこのまま膠着するかに思われた。しかし、それはすぐさま動きを見せた。
フィーネが右腕を前に伸ばし、相手に手のひらを見せるように広げる。刹那、その一寸先に氷塊が作られ、何の前触れもなく放たれた。
「!!」
それは人間の反応速度では避けられない攻撃。にも関わらず、ロベルはそれを後方に跳んで回避した。流石に完全回避とまではいかなかったが、それでも足にかすり傷を負った程度だ。ロベルは空中へ跳んだ状態から両手の中華刀を連続して投げた。
剣はフィーネを目指し直進する。
「…」
彼女はそれを確認すると、後ろに跳び退いた。
中華刀はフィーネが元いた場所に突き刺さると、音もなく消滅した。
二人は同時に着地し、お互いを見やった。
二人の距離はおよそ15メートル。その中にもはや会話はない。あるのは今にも体を貫かんばかりの張り詰めた空気と、それを駆り立てるような静寂。その場で一度物音をたてようものなら、この空気は獲物を狩る獣の如く当事者を串刺しにする。そう感じさせるほどに緊張した雰囲気の中、二人は互いの様子を窺い合っていた。それは刹那の時間でありながら、とても長い時間のようにも感じられた。
その一時が過ぎ、ロベルが動いた。
左へ走る。フィーネはそれを見た瞬間、何の動作もなく頭上でいくつもの氷塊を作成し、続けざまに放つ。
その様は、さながら弾の尽きないマシンガンといったところ。普通の戦闘でこんな武器があったなら、まず避けることは敵わないだろう。しかし、ロベルはその攻撃を易々と避けていく。それは運動神経がいいなどというレベルではない。あからさまに人の限界を越えている動きだ。
その様子は、まるで能力者は人間を超越した新たな存在だと思わせる。
ロベルは氷の弾丸を避けつつ、右手を開く。すると、その中に先ほどと同じ中華刀が形成されていく。そして完全に形を成すと、同時に電撃を帯びた。
ロベルは跳躍し、氷の弾丸が飛び交う中、空中で剣を縦に大きく振った。刹那、先の攻撃と同じように、刃の部分を覆っていた電撃が剣を離れ、斬撃の軌道をなぞるような形で直進した。
「!」
それに気付いた瞬間、フィーネは攻撃を止め、右方向へ一気に跳んだ。直後、その波動はフィーネが元いた場所に激突し、同時に爆発を巻き起こした。
かなりの勢いで回避したせいか、フィーネは地に足がついてもスピードを殺せず地面を滑っていく。彼女の体は着地点から5mほど離れた場所で静止した。
フィーネが顔を上げると、眼前には黄色く光る斬撃の波動が迫ってきていた。
彼女はとっさに後方へ飛び退く。それと同時に波動は地面に到達し、爆発した。
彼女は地上に着くと同時にすぐさまその場から離れる。
刹那、着地に追い討ちをかけていたロベルの斬撃が二発、地面に激突した。
フィーネが空中へ上がったのを確認したロベルは再び中華刀を振りかざす。刹那、剣が雷光を発し始め、やがて刃を覆い尽すと――――
「フンっ!!」
今度は剣自体を彼女に投げつけた。
中華刀は円の形に見えるほど高速で回転しながらフィーネを目指す。しかし、スピードは今までの斬撃の方が勝っている。見切ることは容易だ。彼女はそれを最小限の動きで回避し、右手を左脇付近まで持っていった構えのまま、翼を最大限に広げ、ロベルへ直進した。距離にして約40メートル。その間合いを、彼女は僅か2,3秒でロベルの目の前まで移動し、同時に右腕を左から右へ振り払う――――
「っ!?」
寸前、フィーネの右肩を何かが斬り裂き、ロベルの手に受け止められた。それは彼が数秒前に放った中華刀だった。
「くっ――――!」
肩にダメージを負いながらも、フィーネは右腕を振り払う。刹那、手首から20センチほどの長さの氷の刃が具現し、ロベルを狙う。しかし、その攻撃は負傷していない状態より確実に速度が落ちている。今までの氷塊よりも遅いその振りは、後方へ下がる形で軽々とかわされた。ロベルは重力に身を任せ、地上へ降りていく。その間に彼の剣が再び電撃を帯た。
足が地面に着く。刹那、フィーネに向けて再び剣が放たれた。
それに気づいた瞬間、彼女はとっさに右に回避し、剣の行方を目で追った。それは途中で進行方向が変わり、彼女の方向に向かって来る。
「本命は――――」
突然のロベルの声に視線を戻す。
「こっちだ!」
刹那、フィーネは眼前にまで迫る斬撃を見た。彼女はとっさに不可視の防御壁でそれを防いだ。
「ぐ…」
ロベルの攻撃を防ぎながら、彼女は彼の姿を確認した。ロベルの左手には中華刀が握られている。
(…具現……!?)
フィーネは素早く後ろを見る。
「っ!!」
刹那、右の翼が後ろから切り裂かれた。
直後、今までその進行を食い止められていた斬撃が防御壁を一瞬で破り、フィーネを襲った。
彼女はその攻撃をとっさに体を後ろへ反り、紙一重で回避した。
自身の翼を失ったためか、彼女は重力に引かれるように頭から地上へと落ちていく。
その途中で身体をひねり、体制を立て直し足から着地した。
刹那、返ってきた中華刀を右手で掴むと同時に、ロベルは獲物を狙う肉食獣の如き速度でフィーネへと突撃する。
しかし、フィーネはそれさえも凌駕する速さで、腕を下から上に振り上げた。
その瞬間、フィーネの一寸先の地面から氷の針がロベルに一直線へ向かうように突き出していった。
「くっ!」
予想外の攻撃に、ロベルは進行方向を90度変え、転げるように回避した。
すぐさま顔を上げる。その視線の先には目を閉じ両手を横に広げているフィーネの姿があった。
刹那、彼女が目を見開く。その途端、先ほど地面からロベルを襲った氷の針が破裂し四方に飛び散り、霧散し部屋全体を満たすほどの濃霧となった。
「……」
ロベルは立ち上がり、回りを見渡した。
(見えて1メートルか…)
普通の濃霧ならば相手にもこちらの姿は見えないだろうが、今は違う。これは能力者が創り出した霧だ。
Capaの力とは想像を創造すること。それは、形は同じであっても全く異なる性質を持つものも創り出せるということ。
『似て非なるもの』。つまりこの霧は普通の霧ではない。これはロベルの視界を遮断し、フィーネには一切干渉しないものだ。
(霧の成分は水。この状況で放電したら自滅か…。やってくれるぜ)
ロベルはその場で剣を構え、静止した。
(さぁ、どう出てくる……?)
彼が構えを取ってから数秒後、戦闘が再開された。
右側から数発の氷塊がロベルの視える距離に飛び出してきた。彼はそれに気づくと右腕のみで全て防いだ。
先の攻撃に続くように左、続いて正面から氷塊が飛び出す。
それを今度は両手でなぎ払うように斬り伏せていく。その最中、ロベルは霧の奥に目を凝らしていた。
その目は、もはや人の物ではなかった。
ホーク・アイ。猛禽類の視力は人間の8倍ある。しかし、視界を遮られている状況では役に立たないだろう。
だが――――
(見えた!)
それは本当の鷹の目の場合だ。イメージをそのまま具現するCapacityにとって、事実はそのイメージを広げるための一つの要因でしかない。
ロベルにとってのホーク・アイとは、視力を増大するだけでなく、視界を遮る物さえ緩和してしまうほどのイメージで構成されている物だ。
ロベルは霧の向こうに黒い何かを見た。それは風になびき、揺れながらまた霧の中に消えていく。この部屋にいるのはフィーネとロベルのみ。となれば先の物体が何かは明白だろう。
(逃がすか!)
刹那、ロベルが地を蹴り黒い何かが消えた方向へと直進する。瞬間、彼の進行を阻止しようと正面から氷塊が飛び出す。
しかし、ロベルは自分の体に命中するものだけを両手の中華刀で防ぎながらも、速度を落とさない。
数秒の後、ロベルは再び黒い物体を視認できる場所まで距離を詰めていた。
刹那、氷塊の斜線上から横に飛び出したロベルは一気に速度を上げ――――
「もらった!!」
側面をすれ違い様に斬り裂き、3メートルほど離れた場所で止まる。途端、何かが地面に転げ落ちるような音が部屋全体に響く。それはあからさまに人体よりも固い物質の音だった。
(まさか…!)
ロベルは振り向き、真相を確かめるためにその場所へと歩く。刹那、黒い物体の正体がわかった。
服。フィーネが着ていたコートだ。問題はそれを誰が着ていたかということだった。
その中には製作者自身を模ったであろう氷が入っていた。
「フェイク――――っ!!」
コートを羽織っていた正体に気づいた瞬間、ロベルの喉元には水色の刃が添えられていた。
途端、霧が一斉に晴れ、視界が鮮明化される。そこにはロベルの背後から鎌を構えたフィーネがいた。
「私の勝ち…」
「…ちぇ」
ロベルが不服そうな言葉を漏らす。その態度は一度戦いが中断されたときと同じ、軽いものに戻っていた。それが気に入らなかったのか、フィーネはロベルの目の前に氷塊を創り出し――――
「私の勝ち…」
認めないと撃つと言わんばかりに同じ言葉を繰り返した。
「わぁったよ。降参だコーサン」
ロベルはあからさまに嫌そうな顔をしつつも、武器を消し、その場で両手を上げた。


戦闘の終わり方はベタといえばベタかもしれませんね。まぁでも当初から考えていた通りに話が書けてよかったです。次回の第6話はまた説明やら何やらで終わってしまうと思います。戦闘と呼べるものは結構後になっちゃいそうですね。
では、次回を楽しみにしてくださっている方々は、首を長~~~~~~~~~~~~~||~~~~~~~~~~~~~くして待っていてください。…正直短期間で書ける自身ないです、はい……。
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